ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~ #150 桝本 佳子(Keiko Masumoto)
BSフジ『ブレイク前夜 ~次世代の芸術家たち~』 毎週火曜 21:55~22:00 放送中 オフィシャルHP http://breakzenya.art/ オフィシャルFB https://www.facebook.com/breakzenya/ Twitter https://twitter.com/break_zenya Instagram https://www.instagram.com/breakzenya/ 作品販売(タグボート)https://www.tagboat.com/contents/select/nextartist/nextartist.htm 私の制作テーマは、「用途のない、飾られる為だけに作られた器」です。床の間や玄関に飾られた大きな皿や壷。食べ物を盛りつけられる事も、花を生ける事も無く鎮座する器たち。用途のある形であるはずの器型をしておきながら、 実際には使用されずに飾られるだけという存在が、一般の人々に自然に受け入れられています。装飾されるだけならばどんな形でも良いはずですが、あくまで器型をしているのはなぜか。フレームが絵画であるためのひとつの装置になり得るように、器形は工芸であるための装置といえるからではないでしょうか。 私の制作に一つのヒントをくれたのは、江戸初期の釜師、大西浄清の作った「鶴ノ釜」でした。大きな鶴が、釜に覆いかぶさるように造形されていて、翼の先はより立体的に釜からたちあがっています。この作品を見た時、もうこれはほとんど鶴だと思いました。装飾というのはあくまで主体である器の付属物ですが、この作品はその関係性を壊しているように見えました。ここで、装飾物の鶴は、過激な色遣いやリアリティで存在を主張するのではなく、鉄で作られたひとつの造形として自然に存在していました。自然に、激しく主張していました。 この作品の鶴を更に激しく主張させたらどうなるか、面白くなるに違いないと思ったのです。 そこから私は、器とも彫刻ともつかない 謎のものを仕立てあげ、「美術、工芸」「器、装飾」といった枠組みを壊すようなダイナミックな形をめざした作品作りを始めました。モチーフと器とが、どちらが主とも従ともつかないようなサイズ感で融合した形から始まり、モチーフを器のラインでカットし、両者を危ういバランスで共存させたもの、最近では器の形や紋様の形にモチーフを押し込め、紋様の定義を探る「圧縮紋シリーズ」を制作しています。 美術や工芸の愛好家だけでなく、より多くの人々に親しみを持って見てもらえる陶 磁器という素材で、ユーモアを大切にしながら新しいかたちを生み出していきたいと 思っています。 (本人談) 兵庫県生まれ 京都市立芸術大学大学院 修士課程 陶磁器専攻 修了 2010年 Guest Artist (University of the Arts/Philadelphia,US) 2011年 スタジオアーティスト (滋賀県立陶芸の森) 2013年 Residency Programme Artist (Victoria & Albert Museum/London) 賞 2008 東京ミッドタウンアワード アートコンペ 準グランプリ 2009 トーキョーワンダーウォール 立体・インスタレーション部門 大賞 2013 兵庫芸術奨励賞 2018 秀明文化基金賞 主なグループ展 2011 新・陶・宣言(豊田市美術館) 2016 Hyper Japanesque(Esplamade/シンガポール) 2017 京畿道世界陶磁ビエンナーレ テーマ展(京畿陶磁博物館/韓国) 主な個展 2011 第22回 美術の中のかたちー手で見る造形 桝本佳子展 「やきもの変化」(兵庫県立美術館) 2012 motif/vessel(ICN gallery/ロンドン) 2017 Masumoto EXPO(アートフェア東京 村越画廊ブース) 【ナレーション】西岡徳間・吉村民 【提供】本郷美術骨董館 【協力】ロイドワークスギャラリー ※作品や作家への問い合わせ・展覧会の企画・プロデュース等、お気軽に問い合わせください。 https://www.artpro-japan.com/
BSフジ『ブレイク前夜 ~次世代の芸術家たち~』 毎週火曜 21:55~22:00 放送中 オフィシャルHP http://breakzenya.art/ オフィシャルFB https://www.facebook.com/breakzenya/ Twitter https://twitter.com/break_zenya Instagram https://www.instagram.com/breakzenya/ 作品販売(タグボート)https://www.tagboat.com/contents/select/nextartist/nextartist.htm 私の制作テーマは、「用途のない、飾られる為だけに作られた器」です。床の間や玄関に飾られた大きな皿や壷。食べ物を盛りつけられる事も、花を生ける事も無く鎮座する器たち。用途のある形であるはずの器型をしておきながら、 実際には使用されずに飾られるだけという存在が、一般の人々に自然に受け入れられています。装飾されるだけならばどんな形でも良いはずですが、あくまで器型をしているのはなぜか。フレームが絵画であるためのひとつの装置になり得るように、器形は工芸であるための装置といえるからではないでしょうか。 私の制作に一つのヒントをくれたのは、江戸初期の釜師、大西浄清の作った「鶴ノ釜」でした。大きな鶴が、釜に覆いかぶさるように造形されていて、翼の先はより立体的に釜からたちあがっています。この作品を見た時、もうこれはほとんど鶴だと思いました。装飾というのはあくまで主体である器の付属物ですが、この作品はその関係性を壊しているように見えました。ここで、装飾物の鶴は、過激な色遣いやリアリティで存在を主張するのではなく、鉄で作られたひとつの造形として自然に存在していました。自然に、激しく主張していました。 この作品の鶴を更に激しく主張させたらどうなるか、面白くなるに違いないと思ったのです。 そこから私は、器とも彫刻ともつかない 謎のものを仕立てあげ、「美術、工芸」「器、装飾」といった枠組みを壊すようなダイナミックな形をめざした作品作りを始めました。モチーフと器とが、どちらが主とも従ともつかないようなサイズ感で融合した形から始まり、モチーフを器のラインでカットし、両者を危ういバランスで共存させたもの、最近では器の形や紋様の形にモチーフを押し込め、紋様の定義を探る「圧縮紋シリーズ」を制作しています。 美術や工芸の愛好家だけでなく、より多くの人々に親しみを持って見てもらえる陶 磁器という素材で、ユーモアを大切にしながら新しいかたちを生み出していきたいと 思っています。 (本人談) 兵庫県生まれ 京都市立芸術大学大学院 修士課程 陶磁器専攻 修了 2010年 Guest Artist (University of the Arts/Philadelphia,US) 2011年 スタジオアーティスト (滋賀県立陶芸の森) 2013年 Residency Programme Artist (Victoria & Albert Museum/London) 賞 2008 東京ミッドタウンアワード アートコンペ 準グランプリ 2009 トーキョーワンダーウォール 立体・インスタレーション部門 大賞 2013 兵庫芸術奨励賞 2018 秀明文化基金賞 主なグループ展 2011 新・陶・宣言(豊田市美術館) 2016 Hyper Japanesque(Esplamade/シンガポール) 2017 京畿道世界陶磁ビエンナーレ テーマ展(京畿陶磁博物館/韓国) 主な個展 2011 第22回 美術の中のかたちー手で見る造形 桝本佳子展 「やきもの変化」(兵庫県立美術館) 2012 motif/vessel(ICN gallery/ロンドン) 2017 Masumoto EXPO(アートフェア東京 村越画廊ブース) 【ナレーション】西岡徳間・吉村民 【提供】本郷美術骨董館 【協力】ロイドワークスギャラリー ※作品や作家への問い合わせ・展覧会の企画・プロデュース等、お気軽に問い合わせください。 https://www.artpro-japan.com/